残業代の計算方法を徹底解説 | 割増率・計算例つき
残業代がいくらもらえるのか正確に知るために、基礎時給の求め方から割増率の種類、具体的な計算例までわかりやすく解説します。
1. 基礎時給の計算方法
残業代を計算するための第一歩は、基礎時給(1時間あたりの賃金)を算出することです。基礎時給は以下の計算式で求めます。
たとえば月給25万円、月所定労働時間160時間の場合、基礎時給は1,562円(250,000 ÷ 160)となります。
月所定労働時間は「1日の所定労働時間 × 月の平均所定労働日数」で算出します。多くの企業では1日8時間×20日 = 160時間ですが、1日7.5時間の企業では150時間になります。
2. 割増率の種類と適用条件
労働基準法では、以下の3種類の割増賃金が定められています。
| 種類 | 条件 | 割増率 |
|---|---|---|
| 時間外労働 | 1日8時間・週40時間超 | 25%増(1.25倍) |
| 深夜労働 | 22時〜翌5時の労働 | 25%増 |
| 法定休日労働 | 週1日の法定休日に出勤 | 35%増(1.35倍) |
| 深夜残業 | 22時〜5時の時間外労働 | 50%増(25%+25%) |
深夜に残業した場合は、時間外労働の25%と深夜労働の25%が重複して適用されるため、合計50%増(1.50倍)となります。同様に、法定休日の深夜労働は35%+25% = 60%増です。
3. 具体的な計算例
以下の条件で残業代を計算してみましょう。
基本月給:30万円
月所定労働時間:160時間
今月の残業時間:30時間(うち深夜残業5時間)
法定休日出勤:8時間
Step 1: 基礎時給
300,000 ÷ 160 = 1,875円
Step 2: 時間外手当(30時間)
1,875 × 1.25 × 30 = 70,312円
Step 3: 深夜割増(5時間分の追加25%)
1,875 × 0.25 × 5 = 2,343円
Step 4: 休日出勤手当(8時間)
1,875 × 1.35 × 8 = 20,250円
残業代合計
70,312 + 2,343 + 20,250 = 92,905円
4. 月60時間超の残業代
2023年4月から、中小企業を含むすべての企業で月60時間を超える時間外労働に対して50%増(1.50倍)の割増率が適用されています。
たとえば基礎時給1,875円で月80時間残業した場合、60時間までは1.25倍、残り20時間は1.50倍で計算します。
60時間分:1,875 × 1.25 × 60 = 140,625円
20時間分:1,875 × 1.50 × 20 = 56,250円
合計:196,875円
すべて1.25倍で計算した場合は187,500円なので、60時間超の割増により9,375円多くなります。
5. 基礎時給から除外される手当
労働基準法では、以下の7種類の手当は基礎時給の計算から除外すると定められています。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
ただし、これらの手当が一律に支給されている場合(例:全員に一律2万円の住宅手当)は、除外できず基礎時給に含める必要があります。名称ではなく実態で判断される点に注意しましょう。
参考資料
- 時間外労働の上限規制(厚生労働省)
- 割増賃金の基礎(東京労働局)
残業代を計算してみる
あなたの条件で残業代を即座に計算できます。
残業代計算ツールを使う