手取り額の仕組み | 額面と手取りの差はなぜ生まれる?
「額面30万円なのに手取りは24万円?」その差額の正体を、天引きされる社会保険料・税金の仕組みとともに解説します。
1. 額面と手取りの違い
額面(額面給与)とは、基本給に各種手当を加えた、会社が支払う総額のことです。一方、手取りとは、額面から社会保険料や税金を差し引いた、実際に銀行口座に振り込まれる金額を指します。
一般的に、手取りは額面の75%〜85%程度になります。額面が高くなるほど税率が上がるため、手取り割合は低くなる傾向があります。
2. 天引きされる項目一覧
毎月の給与から天引き(控除)される項目は、大きく「社会保険料」と「税金」の2種類に分かれます。
| 区分 | 項目 | 本人負担率 |
|---|---|---|
| 社会保険料 | 健康保険 | 約4.99% |
| 介護保険(40歳以上) | 約0.91% | |
| 厚生年金 | 9.15% | |
| 雇用保険 | 0.6% | |
| 税金 | 所得税 | 5%〜45%(累進課税) |
| 住民税 | 一律10% |
3. 社会保険料の内訳
会社員の社会保険料は労使折半(会社と本人で半分ずつ負担)が基本です。給与明細に記載される金額は本人負担分のみです。
健康保険料
協会けんぽ(東京)の場合、令和6年度の保険料率は9.98%です。労使折半なので本人負担は4.99%。月給30万円の場合、約14,970円が天引きされます。
厚生年金
保険料率は18.3%で固定。本人負担は9.15%です。月給30万円の場合、約27,450円が天引きされます。社会保険料の中で最も大きな金額です。
雇用保険
一般の事業の場合、労働者負担は0.6%です。月給30万円なら1,800円と比較的少額ですが、失業給付や育児休業給付の財源になる重要な保険です。
介護保険
40歳以上65歳未満の方が対象です。保険料率は1.82%(本人負担0.91%)。月給30万円で約2,730円の負担です。
4. 税金の内訳
所得税
所得税は累進課税で、課税所得が高いほど税率が上がります。月給からの源泉徴収は概算で行われ、年末調整で精算されます。
課税所得の計算では、給与所得控除(年収に応じて自動計算)、基礎控除(48万円)、社会保険料控除、扶養控除などを差し引きます。
住民税
住民税は前年の所得に基づいて計算され、翌年6月から天引きが始まります。税率は市区町村民税6% + 都道府県民税4% = 一律10%です。
そのため、新社会人の1年目は住民税がかからず手取りが多く、2年目から住民税の天引きが始まり手取りが減る「2年目の壁」が生じます。
5. 年収帯別の手取り目安
独身・扶養なし・40歳未満・会社員の場合の目安です。
| 年収(額面) | 手取り(年額) | 手取り(月額) | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約240万円 | 約20万円 | 約80% |
| 400万円 | 約315万円 | 約26万円 | 約79% |
| 500万円 | 約390万円 | 約32万円 | 約78% |
| 600万円 | 約460万円 | 約38万円 | 約77% |
| 700万円 | 約530万円 | 約44万円 | 約76% |
| 800万円 | 約595万円 | 約50万円 | 約74% |
| 1000万円 | 約720万円 | 約60万円 | 約72% |
※ 上記は概算です。扶養人数・年齢・居住地域により異なります。
参考資料
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